行政書士が発行する領収書に収入印紙の貼付は必要か
いきなり結論ですが、「不要」ということになります。
これについて、以下に根拠を述べます。
印紙税法
こちらの条文には、以下のような規定があります。
第五条 別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、次に掲げるものには、印紙税を課さない。
e-Gov法令検索
一 別表第一の非課税物件の欄に掲げる文書
二 国、地方公共団体又は別表第二に掲げる者が作成した文書
三 別表第三の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成したもの
行政書士の発行する領収書は、この一号に該当します。詳しくは別表第一の17号に該当するので、その「非課税」欄のみ以下に引用します。「課税物件」欄と、「課税標準及び税率」欄については、次の引用の引用元リンク先を参照してください。
1 記載された受取金額が五万円未満の受取書
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2 営業(会社以外の法人で、法令の規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をすることができることとなつているものが、その出資者以外の者に対して行う事業を含み、当該出資者がその出資をした法人に対して行う営業を除く。)に関しない受取書
3 有価証券又は第八号、第十二号、第十四号若しくは前号に掲げる文書に追記した受取書
こちらの2にある「営業に関しない受取書」が該当します。…と、これだけ見せられても、まだいまいちピンとこないと思います。
ちなみに上記の「受取書」というのが、一般に言う領収書にあたります。
印紙税法基本通達
そこでさらに参照するのは、国税庁の印紙税法基本通達です。こちらの別表第一に、それぞれの文書が「営業に関しない受取書」に該当するのかしないのかが列挙されています。
行政書士が発行する領収書は、その中の第17号文書の26に該当するので、その部分を引用します。
(弁護士等の作成する受取書)
第16号~17号文書
26 弁護士、弁理士、公認会計士、計理士、司法書士、行政書士、税理士、中小企業診断士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士、設計士、海事代理士、技術士、社会保険労務士等がその業務上作成する受取書は、営業に関しない受取書として取り扱う。
ということで、ここでようやく行政書士という文言が出てきました。
まとめ
1.印紙税法基本通達より、行政書士がその業務上作成する受取書は「営業に関しない受取書」として取り扱う
2.印紙税法より、「営業に関しない受取書」は非課税である
3.1と2より、行政書士がその業務上作成する受取書は非課税である
以上で説明終わりです。
登録証交付式のときにもらった領収書の冊子をパラパラと見ていて、ふと「印紙税法~により非課税」の文字が目に入ったので、その根拠が気になって今回調べてみました。
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- 宇都宮市の行政書士
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