道路運送車両法第13条 移転登録、いわゆる名義変更について
移転登録、いわゆる名義変更の手続きについてです。自動車の所有者が変わった場合の手続きです。
「移転」という言葉のイメージから引っ越しなどを連想したりするかもしれませんが、その場合は変更登録になりますのでご注意ください。
道路運送車両法第13条
条文を見てみます。
(移転登録)
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第十三条 新規登録を受けた自動車(以下「登録自動車」という。)について所有者の変更があつたときは、新所有者は、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の申請を受理したときは、第八条第一号若しくは第四号に該当する場合又は当該自動車に係る自動車検査証が有効なものでない場合を除き、移転登録をしなければならない。
3 前条第二項の規定は、第一項の申請について準用する。
4 第十条の規定は、移転登録をした場合について準用する。
第1項は、所有者の変更があったときに移転登録をすべきことを規定しています。申請をしなければならない人は、新所有者になります。
ここで唐突ですが、頭文字Dで拓海の父親が「自分は新しい車を買ったからハチロクはお前にやる」というようなことを言っているシーンが思い出されました。そのとき父親は拓海に、名義変更はやっておけよと言っていたと思います。これは新所有者が申請をしなければならないと規定している第13条第1項に則ったものであったという話でした。
第2項は、国土交通大臣の義務です。申請を受理したとき、特に問題ないならば移転登録をしなければなりません。
第3項は、前条(第12条)第2項の規定(車検証の変更記録を申請するときは同時にしなければならない)を準用しています。変更登録と同様に、車検証の所有者欄を変更するときは車検証だけじゃなくて移転登録を申請して自動車登録ファイルの変更もやってねということですね。
第4項は、登録した際には申請者に通知をしなければならないという話です。変更登録のときと同じです。
個人的な意見ですが
こうして見てみると、入口が異なるだけで条文の内容は第12条とほぼ同じと言って良さそうです。ならば、なぜ12条と13条を分けることになったのかというのが疑問です。
以下は個人的な考えですが、12条の中に移転登録も含めてしまっても特に問題なさそうに見えます。
話は変わりますが、ソフトウェアのプログラミングをする際、似たような2つの処理がある場合はそれぞれを分けて書くよりも1つにまとめてしまった方がソースコードの量が少なくスッキリするということがあります。しかし、その似たような2つの処理の差異がある程度大きくなってくると、無理に1つにまとめるとかえってごちゃごちゃして分かりにくくなるのでそれぞれ別で書いてしまったほうがいいということもあります。ただし2つの処理の同一部分に変更があった場合に、一方だけ修正して完了した気になって実際動かしたときに想定外の動作をしてしまうというデメリットもあります。
それと似たような考えで、条文を1つにまとめてしまうよりもそれぞれ別のものとして書いた方が分かりやすい・・・と考えたのかどうか定かではありませんが、現状では変更登録と移転登録は別とされているので我々はそれに則って申請するだけです。
まとめ
自動車の所有者が変わった場合は移転登録をしなければなりません。車検証の所有者欄を書き換えるときは同時に移転登録もしなければなりません。
申請に不備がなければ、国土交通大臣は移転登録をしなければなりません。移転登録をした場合、国土交通大臣は申請者に通知をしなければなりません。
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- 宇都宮市の行政書士
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