道路運送車両法における自動車の種別 特に登録が必要な4種別について
自動車と言っても種類は様々です。4輪もあれば2輪もあり、また排気量によって自動車税が変わるというのも皆さんにとっては周知のことと思います。
ここでは自動車登録に関する話をするので、道路運送車両法における自動車の種別について説明していきます。
道路運送車両法における自動車の種別
こちらは法3条に規定されています。
(自動車の種別)
e-Gov法令検索
第三条 この法律に規定する普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車の別は、自動車の大きさ及び構造並びに原動機の種類及び総排気量又は定格出力を基準として国土交通省令で定める。
ここで、法律用語の曲者である「及び」「並びに」「又は」が羅列されていますが、その説明は省きます。要するに「自動車の大きさ」「構造」「原動機の種類」「総排気量 又は 定格出力」によって自動車の種別が決まるとなっています。
そして、自動車の種別は上記の基準によって「国土交通省令で定める」とあります。この国土交通省令とは何なのかというと、「道路運送車両法施行規則」になります。
道路運送車両法施行規則にはどのように規定されているのか
この省令で自動車の種別の基準がどのように規定されているのか見てみましょう。
(自動車の種別)
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第二条 法第三条の普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車の別は、別表第一に定めるところによる。
ということで具体的にはこの省令の別表第一にあります。が、この表がまたごちゃごちゃしているので引用はしません。気になる方は、上記の出典リンクから参照してください。
代わりに、それらをスッキリとまとめてくれた表があるので、そちらを参照することにします。
一般財団法人 自動車検査登録情報協会
この表の右側にある「原動機付自転車」については、省令の第1条に規定されています。(これについては最後におまけで触れます)
この表の全てについて説明するとまた長くなってしまうので、ここでは登録が必要となる4種別についてのみ見ていきます。
登録が必要な自動車4種別
1.普通自動車
これは、トラック(1ナンバー)、バス(2ナンバー)、普通自動車(3ナンバー)になります。
街中をよく走っている自動車の中では、大きいサイズのSUVとか、もしくはエンジンが大きい高級車がこれに当たります。
2.小型自動車(4輪以上)
こちらは、大きさが長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下で、排気量が66ccを超え2,000cc以下の自動車になります。
トラックについては、小型トラック(最大積載量3.0t未満)がこの小型自動車に該当します。
小型乗用車については、5ナンバーと7ナンバーの自動車がこれに該当します。
3.小型自動車(3輪)
これは、最近ではほとんど見なくなった種別でしょう。俗に言うオート三輪というやつです。(こんなやつ)
4.大型特殊自動車
これについては省令の別表第一から引用します。
一 次に掲げる自動車であつて、小型特殊自動車以外のもの
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イ ショベル・ローダ、タイヤ・ローラ、ロード・ローラ、グレーダ、ロード・スタビライザ、スクレーパ、ロータリ除雪自動車、アスファルト・フィニッシャ、タイヤ・ドーザ、モータ・スイーパ、ダンパ、ホイール・ハンマ、ホイール・ブレーカ、フォーク・リフト、フォーク・ローダ、ホイール・クレーン、ストラドル・キャリヤ、ターレット式構内運搬自動車、自動車の車台が屈折して操向する構造の自動車、国土交通大臣の指定する構造のカタピラを有する自動車及び国土交通大臣の指定する特殊な構造を有する自動車
ロ 農耕トラクタ、農業用薬剤散布車、刈取脱穀作業車、田植機及び国土交通大臣の指定する農耕作業用自動車
二 ポール・トレーラ及び国土交通大臣の指定する特殊な構造を有する自動車
こちらは9ナンバーの自動車で、これらに直接関わる人は限られると思いますが、それでも普通に生活していれば見かけることはよくあると思います。
おまけ 3輪のトリシティ125がなぜ原動機付自転車になるのか
原動機付自転車については、省令の第1条に規定されています。
(原動機付自転車の範囲及び種別)
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第一条 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号。以下「法」という。)第二条第三項の総排気量又は定格出力は、左のとおりとする。
一 内燃機関を原動機とするものであつて、二輪を有するもの(側車付のものを除く。)にあつては、その総排気量は〇・一二五リツトル以下、その他のものにあつては〇・〇五〇リツトル以下
二 内燃機関以外のものを原動機とするものであつて、二輪を有するもの(側車付のものを除く。)にあつては、その定格出力は一・〇〇キロワツト以下、その他のものにあつては〇・六〇キロワツト以下
2 前項に規定する総排気量又は定格出力を有する原動機付自転車のうち、総排気量が〇・〇五〇リツトル以下又は定格出力が〇・六〇キロワツト以下のものを第一種原動機付自転車とし、その他のものを第二種原動機付自転車とする。
1項では1号と2号で基準が2つ挙げられていて、2項でそれぞれの後者が第一種原動機付自転車、前者が第二種原動機付自転車とされています。
この中で気になった点が、第二種原動機付自転車のみ「二輪を有するもの」という制限が付いている部分です。
ところで私は、4年ぐらい前にPCX125というバイクを買いました。道路運送車両法での種別は第二種原動機付自転車となります。その際に別の機種も検討したのですが、その中にトリシティ125というバイクがあります。(こんなやつ)
これ、画像を見てもらえたら分かりますが、2輪ではなく3輪なのです。これだと第二種原動機付自転車に該当しないのでは?と思って色々と調べてみました。
結論は国土交通省の告示にありました。
第2条の2 自動車又は原動機付自転車のうち次に掲げるすべての要件を満たすものは、二輪自動車又は二輪を有する原動機付自転車の基準を適用するものとする。
国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.10.24】〈第一節〉第2条の2
一 三個以上の車輪を備えるもの
二 車輪が車両中心線に対して左右対称の位置に配置されているもの
三 同一線上の車軸における最外側の車輪の接地部中心点を通る直線の距離が四百六十ミリメートル未満であるもの
四 車輪及び車体の一部又は全部を傾斜して旋回する構造を有するもの
これによってトリシティ125も第二種原動機付自転車に該当するようです。
このような感じで、それぞれ調べていくとどんどん深みにはまっていくので、このあたりで止めておきます。
次回からは登録業務について詳しく説明していきます。
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- 宇都宮市の行政書士
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