道路運送車両法第15条 自動車の永久抹消登録について

永久抹消登録、いわゆる廃車の手続きについてです。

これは自動車を二度と使用しない場合にする申請です。

抹消した自動車を今後また使うかもしれない場合は、ここで解説する永久抹消登録ではなく、一時抹消登録を申請します。

また自動車を国外に持ち出すため国内の登録を抹消する場合は、輸出抹消登録を申請します。

道路運送車両法第15条

(永久抹消登録)
第十五条 登録自動車の所有者は、次に掲げる場合には、その事由があつた日(当該事由が使用済自動車の解体である場合にあつては、使用済自動車の再資源化等に関する法律による情報管理センター(以下単に「情報管理センター」という。)に当該自動車が同法の規定に基づき適正に解体された旨の報告がされたことを証する記録として政令で定める記録(以下「解体報告記録」という。)がなされたことを知つた日)から十五日以内に、永久抹消登録の申請をしなければならない。
一 登録自動車が滅失し、解体し(整備又は改造のために解体する場合を除く。)、又は自動車の用途を廃止したとき。
二 当該自動車の車台が当該自動車の新規登録の際存したものでなくなつたとき。
2 引取業者(使用済自動車の再資源化等に関する法律による引取業者をいう。第百条第一項第三号において同じ。)は、同法の規定に基づきその取扱いに係る登録自動車の解体報告記録がなされたことを確認し、これを確認したときは、自らが当該自動車の所有者である場合を除き、その旨を当該自動車の所有者に通知するものとする。
3 登録自動車の所有者は、使用済自動車の解体に係る第一項の申請をするときは、同項の解体報告記録がなされた日及び車台番号その他の当該解体報告記録が当該自動車に係るものであることを特定するために必要な事項として国土交通省令で定める事項を明らかにしなければならない。
4 第一項の場合において、登録自動車の所有者が永久抹消登録の申請をしないときは、国土交通大臣は、その定める七日以上の期間内において、これをなすべきことを催告しなければならない。
5 国土交通大臣は、前項の催告をした場合において、登録自動車の所有者が正当な理由がないのに永久抹消登録の申請をしないときは、永久抹消登録をし、その旨を所有者に通知しなければならない。

第1項で、永久抹消登録の申請をしなければならないときを2つ挙げています。それが「登録自動車が滅失、解体、または自動車の用途を廃止したとき」と「当該自動車の車台が当該自動車の新規登録の際存したものでなくなったとき」です。

前者は何となく分かるかと思います。事故で車が潰れてしまったり、水没して走れなくなってしまったとき、もしくは正規の手順を踏んで解体したとき、またはバスなどエンジン等を取り払ってしまって自走できない状態にしてからカフェにするとかでしょう。解体の場合は、永久抹消登録よりも先に解体する必要があります。抹消登録だけしてから「解体やっぱりや~めた」なんてことになったら、自動車登録ファイルにない自動車が存在することになってしまうので。

後者は、エンジンを載せ替えるなどして登録した時の状態とは違う状態になったときなどです。その時は元の登録については永久抹消を行い、新しい状態で新規登録することになります。

第2項は、(使用済自動車の)引取業者は解体報告記録がなされた場合にはその旨を所有者に通知する義務があるとしています。所有者はこの通知を受けて、永久抹消登録の申請をします。

第3項で、解体による永久抹消登録の申請をする場合は、解体された自動車が永久抹消登録をしようとしているそれと同一のものである証拠(解体報告記録日、車台番号、その他)を明らかにすべきとしています。

第4項第5項は国土交通大臣の義務です。第1項の各号に該当する自動車について永久抹消登録の申請がされないときは、国土交通大臣はそれをするよう催告しなければならりません。そして催告した場合にもなお申請されないときは、国土交通大臣自身で永久抹消登録をしその旨を所有者に通知しなければなりません。

まとめ

自動車をもう使わなくなった(今後二度と使うことはない)、使えなくなった際には永久抹消登録の申請をしなければなりません。二度と使わない場合はその意思だけでは足らず、解体して二度と使えないようにする必要があります。解体による永久抹消登録の場合は、引取業者は解体報告記録がなされた場合には所有者に通知しなければなりません。

そして解体により永久抹消登録を申請する場合は、解体報告記録日、車台番号等を明らかにしなければなりません。

国土交通大臣は、永久抹消登録されるべき自動車について申請がなされない場合は催告をし、それでも申請されない場合は自身で永久抹消登録し所有者に通知しなければなりません。

投稿者プロフィール

Imari Tsuyoshi
Imari Tsuyoshi
宇都宮市の行政書士

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